参議院選を前に憲法96条改正について

こんにちは。

業務のことからは少し離れますが、

法律の専門家、学生時代も憲法を専攻していた者として少しだけ伝えたいことが。

今回の参議院選のテーマの一つとして憲法96条の改正という話が突如上がってきました。

自民党・維新の会が中心に主張する憲法96条改正論ですが、

両党の方向性は若干違います。

自民党は憲法9条改正のため、

維新の会は道州制導入のために、

憲法の改正発議を簡単にしようとする狙いがあるわけです。

そこで一回根本のところに戻りたいわけなんですが、

憲法というのは国民と国家が契約を結ぶいわゆる社会契約(ロックとかルソーとかその辺の話です)

を具現化したもので、

国家を縛るものなわけですよ。

これを国家の側から軽くするとはいかがなものかと。

アベノミクスの勢いに騙されて

こういう大事な部分のはなしがなんとなく進んでいくというのも困ります。

また、海外の憲法改正発議はもっと軽い要件でできることになっているので、

海外の標準に合わせるべきという話もありますが、

比較法的な見地から言えば

日本の憲法は非常に大まかな規定のみが書かれており、

大まかな規定であるためにその改正については諸外国の憲法改正とは重みが違う部分があります。

なので、海外が過半数だからという話はそのまま通るものではないと。

もちろん選挙の争点はこれだけではないですし、

アベノミクスについては一定の評価をしなければいけないでしょうから。

なかなか難しいところなんですが、

個人的な意見として

憲法に関してはこう思うということを書いたまでですし、

もっといろいろ思うところはあるんですが、

簡単に書かせていただきました。